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令和5(2023)年度 研究テーマ

「はじける・つながる・輝く」

 2020 年4月から新学習指導要領が全面実施となった。その中で、体育科では、生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を育成することを重 視する観点から、運動や健康に関する課題を発見し、その解決を図る主体的・協働的な学習活動を 通して、『知識・技能』、『思考力・判断力・表現力等』、『学びに向かう力・人間性等』を育成 することが目標として示されている。

 これまで奈良県小学校体育研究会では、「豊かな『つながり』を大切にした、深い学びのある体 育学習」を研究主題とし、様々なつながりを大切にしながら「わかる」「できる」「関わり合う」 授業を目指して、実践を積み重ねてきた。「子ども」「仲間」「教師」「運動」の4つの要素がそれぞれにつながることで、その中心にいる「子ども」が運動の楽しさを味わい、体力や身体能力を 高めることができ、生涯にわたって運動に親しもうとする未来への「つながり」となっていくこと ができるのではないかと考え、研究を進めてきた。

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 その中で、子どもの学習意欲を高める教材教具、場づくりやルールづくりについて様々な工夫を凝らしてきた。また、子ども同士が互いに深く関わりをもてるような話し合いや見合い学習の場も 設定してきた。これらのことで、子ども一人一人が「運動」や「仲間」とつながり、体育の学習が 子どもたちにとってやりがいがあり、未来へつながっていくような豊かな学習を構築することに一 定の成果を得ることができたと考える。しかし、課題も見えてきた。例えば、見合い学習の場において、形式的につながっている部分が多くあり、もっと子どもたちが自ら課題を解決したり主体的 に関わりをもったりすることができれば、より深いつながりになると考えられる。また、子どもたちが夢中になって運動に取り組んだり、できた喜びや楽しみを感じて笑顔がはじけたりするような教師の声かけや指導の在り方について、より深く追究していく必要があると考える。

 そこで、今年度研究主題として「はじける・つながる・輝く」を掲げた。まず一人一人の子ども たちが運動に出会い、特性に応じた楽しさに触れ、心と体をめいっぱい使って活動する。その中で 子どもが自分の殻を破り、新しいことに挑戦したり、心や体を解放させたりして、動きや笑顔が「はじけて」運動に取り組んでいる姿を目指したい。子どもたちが「はじける」姿とは、主体的に運動に取り組み、できた喜びやうまくいかない時のくやしさ、もっと運動したいという思いが大きくなって出てくることと考える。また、運動が苦手で殻に閉じこもっている子どもが、その殻を破って運動に取り組もうとしたり、できなかったことができるようになったりすることで、殻がはじけて 芽を出すことも「はじける」姿の一つと考える。

​ 子どもたちの「はじける」姿が見られるようになっていく中で、その子どもたちが「つながる」 ことを目指していく。その運動に熱中すればするほどこだわりをもち、うまくいかないときや勝負 に負けた時には悔しい気持ちになることもある。1人ではどうしようもない課題に直面した時に は、対話を通して仲間とつながり、共に考え積み重ねていくことで、解決へとつながっていく。たくさんの友達とつながることで、達成できたときの喜びや楽しみはより大きなものとなり、はじけた動きや笑顔はさらに広がり、深い学びへとつながっていく。そうしてつながった子どもたちは、 さらに運動に熱中し、共に課題を乗り越え、運動の楽しみや喜びを共有する仲間へと成長し、より 大きく「輝く」集団になっていく。深い学びを通して運動の楽しみや喜びを味わった子どもたちは、 生涯にわたって運動に楽しむことにつながっていくと考える。

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​はじける

​つながる

​輝く

 子どもたちが「はじける」ための手立てとして、まず子どもたちが運動としっかりつながれるように教材理解・教材研究を行い、運動の特性や楽しさを把握し学習計画を立てることが大切である。それぞれの運動の特性や系統性をしっかりと把握し、やってみたいと思えるような課題の設定を通 して、子どもたちが自ら進んで学び、技術や知識を獲得し、その運動を主体的に楽しんで活動できるような運動を目指す。さらには、その課題を解決するために、対話を通して思考し表現することで、友達とつながり、共に解決し、喜びや楽しみを共有できる学びの場を展開する。加えて、教師の支援の在り方も追究していきたい。子どもたちを運動や仲間とつなげたり、子どもたちのやる気 やがんばる気持ちを高め、運動に熱中させられたりするような、子どもの心を熱くさせられる教師 の姿勢、指導や支援の在り方、声のかけ方も追究していきたい。

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